pig's diary

何でも忘れるので万年初心者ね

サタデー・ナイト・フィーバー

アネットという女性が登場するのですが、彼女はいつもトニー(ジョン・トラボルタ)を追いかけてコンテストに一緒に出場したいと思っている、報われない女性です。前回のコンテストで、トニーとペアーを組んで好成績をおさめたアネットは、トニーに「こんども一緒に出場しましょうよ」と声をかけます。ですが、次回の出場についてトニーは分からない返事ばかり。なかなかコンテスト出場を請け負ってくれません。

ある日、思い切ってダンスの練習に誘おうとスタジオの入り口でトニーを呼び止めましたが、トニーは言いました、「別の相手を見つけたから」。急に、目の前が真っ暗になります。そのあとスタジオのガラス越しをこっそりのぞいた様子だと、トニーは前の土曜日にフロアで出会った、マンハッタンの華やかな暮らしを鼻に掛けている意地悪そうなあの女と一緒に、コンテストに向けて練習を始めたみたいです。

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アネットはまた、トニーを愛してもいました。というか、トニーに自分の女性を捧げたいと思っていました。フロアでのトニーは最高にホットだったし、いつもいろいろな女と踊ってばかりいるけれど、本当にトニーを理解しているのはわたし。ダンスも得意だし、彼との踊りの相性にかけては前回のコンテストの成績がとっくのとうに証明済み。彼の隣に座れる女がいるとしたら、私を置いて他にいないはずなのだけど、最近のトニーはなんだか様子がおかしいわ。何を話しかけてもうわの空だし、この間なんか突然ボビーの車(みんながアレに使う場所)に誘ってきたかと思うと、途中でお終いにしちゃうし・・・でも原因は私にあるのよね、ちゃんと「準備」をしてなかったから。薬を飲んでないことを伝えると、突然車から出ていっちゃうんだもん。あの日の私、今考えてもホント抜けてたわよ。

だから次の日、練習スタジオの入り口で彼を見つけるなり、「準備、してきたわよ」って声を掛けたの。ゴムを渡して。よく分からないから3つ手渡したわ。それくらい必要だったんじゃないの、違う?そうしたら彼、ひどく哀れそうな顔をして、私に「勘弁しろよ」だって。ひど・・・ひどくないですか?なんで私が——。ダンスだって上手。顔だって悪くない。道を歩いていてもよく声をかけられるのよ。普通の男だったら放っておかないわ。髪の手入れだって今風だし、服の選びだって文句のない私に、3個のコンドームを用意させておきながら、彼は言ったのよ、「勘弁しろよ」って。私、・・・悔しいわ!!私に何か恨みでもあるのかしら、私はただ彼に良かれと思って————。